御礼とご報告「助成金のない東京都あきる野市で、地域猫活動を諦めたくない」から約1年
- あきる野 にゃんサポ
- 1月8日
- 読了時間: 11分
クラウドファンディング終了のご報告
〜活動報告・収支報告・心からの感謝を込めて〜
このたびは、非営利猫愛護団体「にゃんサポあきる野」のクラウドファンディング「助成金のない東京都あきる野市で、地域猫活動を諦めたくない」に、温かいご支援と応援をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
2024年9月2日から10月23日まで実施した本クラウドファンディングは、多くの皆さまの想いに支えられ、目標金額を大きく上回る4,037,000円を達成することができました。
ご支援くださった皆さま、情報拡散や応援コメントを寄せてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
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■クラウドファンディング実施の背景
私たちは東京都あきる野市を中心に、行き場を失った猫たちの保護、TNRM(捕獲・不妊去勢・治療・元の場所へ戻す/または保護)、医療ケア、譲渡活動を行ってきました。
しかし活動を続ける中で、 高齢者の多頭飼育崩壊 看取りが必要な猫の長期医療* FIP(猫伝染性腹膜炎)など、命に関わる高額医療といった問題が重なり、小さな団体だけでは支えきれない現実に直面するようになりました。
2023年度の大きな赤字について
2023年度、代表個人の持ち出しによる医療費は約140万円にのぼり、年度繰越金は▲1,408,700円という大きな赤字となりました。
この赤字の主な要因は、FIPを発症した保護猫「イケニャン」の治療費です。
高価な薬による治療を行い、再発を2回繰り返したため、合計で3クール分の治療費が発生しました。
「助かる可能性のある命を、お金の理由で諦めたくない」その思いで治療を続けた結果、会計は厳しい状況となりました。

イケニャンのその後については、下記「2025年度の活動報告」にてご報告いたします。
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■クラウドファンディング開始と達成
このままでは活動の継続が困難であると判断し、クラウドファンディングという形で、皆さまにご支援をお願いすることを決断しました。
多くの皆さまに趣旨へご賛同いただき、目標金額を大きく上回るご支援をいただいたことで、無事にこのプロジェクトを終えることができました。
支援者の皆さま一人ひとりのお気持ちが、私たちの活動を支えてくださいました。重ねて、心より感謝申し上げます。
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■活動実績のご報告
本プロジェクト期間および前後を通じて、にゃんサポあきる野では以下の活動を行いました。
●保護した猫
クラウドファンディング実施後~2025年12月31日まで:33匹(会としての保護総数:109匹)
●正式譲渡した猫
同期間の正式譲渡:19匹(会としての譲渡総数:89匹)
●看取りを行い、虹の橋へ旅立った猫
同期間:4匹(会としての総数:8匹)
治療やケアを行いながら新しいご家族へとつなげられた命、そして最期まで寄り添った命。どちらも私たちにとって、かけがえのない大切な命です。

●TNRM活動
同期間に実施したTNRM:23匹(会としてのTNRM実施総数:71匹)
TNRMは、不幸な命をこれ以上増やさないための重要な取り組みであり、地域と猫が共に生きる未来をつくるための活動です。

これらすべての活動は、クラウドファンディングによるご支援、多くのボランティアの皆さま、預かりボランティアの皆さま、協力病院の支えによって実現しました。
数字だけを見ると淡々とした報告に見えるかもしれませんが、その一つひとつの裏側には、時間と手間、そして命と向き合う決断があります。
※クラウドファンディング終了後から約1年間の活動内容は、収支報告の下に「2025年度の活動報告」として詳しく記載いたします。
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■収支報告
クラウドファンディングの支援金は、2024年12月に入金されました。この資金により、長く続いていた赤字状態から、団体の財政を立て直すことができました。

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前年繰越金を含めて整理した結果、2024年12月31日時点の残高は2,404,907円となりました。
また、2025年も多くのご支援をいただき、2025年末時点の残高は2,059,161円と、引き続き猫たちに医療や食事を提供できる状況を維持しています。
2025年度は、
医療費:約95万円
フード・トイレ用品などの飼養費:約79万円
が必要となりましたが、クラウドファンディングのご支援により、十分な医療と生活環境を提供することができました。
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ご支援金はすべて、猫たちの医療費、飼養費、TNRM、シェルター運営費として、大切に使わせていただいております。
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ここからは2025年度の活動報告をさせていただきます
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■イケニャンのその後について
FIPの治療を続けてきた保護猫「イケニャン」は、治療を乗り越え、無事に寛解しました。
その後は、預かりボランティアさんと先住猫たちに囲まれながら、約1年間、穏やかで幸せな時間を過ごすことができました。
しかし、2025年3月のある朝、いつものベッドの中で眠ったまま、静かに虹の橋へと旅立ちました。
突然のお別れではありましたが、長い闘病を乗り越え、愛情に包まれて最期まで暮らせたことは、私たちにとっても大きな救いでした。
治療を選択したことに、後悔はありません。

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■2025年春(3月)シェルター開設という決断
猫たちの出産シーズンが目前に迫った2025年春、私たちは非常に重い決断を迫られる出来事が、立て続けに起こりました。
高齢者の飼育崩壊と、飼い主死亡後に保健所へ持ち込まれそうになったケースが、ほぼ同時期に重なったのです。
まず、90代の単身高齢者が入院し、6匹の飼い猫が行き場を失いました。
仮名:チョコくん、ラテくん、ローズちゃん、みなみちゃん、たつやくん、かずやくん。
チョコくんとラテくんは室内にいましたが、ローズちゃんは不衛生なプレハブ小屋に、みなみちゃん、たつやくん、かずやくんは、日の当たらない外庭の小さなケージ小屋に閉じ込められていました。


何とか6匹の居場所を確保した直後、さらに別の単身高齢者が亡くなり、残された飼い猫3匹が、愛護センター(保健所)に引き取られそうだという連絡が入りました。
仮名:ゆりこちゃん、銀仁朗くん、あいりちゃん。
愛護センターでは、健康な猫は里親が見つかる可能性がありますが、疾患がある場合は、殺処分の対象となることもあります。
私たちの中にあった選択肢は、「保護する」という決断しかありませんでした。
しかし、受け入れ先はすでに限界でした。元飼い猫だった子たちを、外に放すことはできません。
悩みに悩んだ末、以前から支援者さまより「事務所2階の部屋を猫のために使ってほしい」とお声がけいただいていたこと、そして多くの方から背中を押していただいたことを受け、6畳一間の部屋を一時シェルターとして借りる決断をしました。

銀仁朗くんとあいりちゃんはその後、2匹一緒に新しいご家族に迎えられました。
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■2025年春(4月) 行政を動かした不妊手術助成金
これまで、東京都あきる野市には、「飼い主のいない猫」に対する不妊手術助成金制度がありませんでした。
そのため、不妊去勢手術にかかる費用は、どうぶつ基金のチケットに頼り、不足分は団体の自己負担で補う状況が続いていました。
長年にわたり、多くのボランティアが行政へ声を届け続け、私自身も行政窓口や市議会議員の方々へ、現場の実情を繰り返し伝えてきました。
そして今回のクラウドファンディングを通じて、「あきる野市には不妊手術の助成金がない」という現状を多くの方が知ってくださり、支援者の皆さまからの後押しや口添えもあり、2025年4月より助成金制度がスタートしました。
初年度は約200万円の予算が計上され、地域猫活動にとって、大きな前進となりました。
左 西の風新聞による取材にて不妊手術費の助成を発表 右令和7年3月1日号広報あきる野の施政方針
この制度は、決して一人の力で実現したものではありません。
市の担当課の皆さま、特に日々丁寧に対応してくださった担当者Yさま、市議会議員の皆さま、決断をしてくださった市長、長年声を上げ続けてきたボランティアの皆さま、そして活動を信じ、支えてくださった支援者の皆さま。
心より感謝申し上げます。
この助成金制度は、当会が掲げてきた目標の一つでした。本クラウドファンディングが、その実現を後押しできたことは、市民の皆さまや、これから活動を担うボランティアの方々にとって、必ず役立つものになると考えています。
【お詫びとご説明】
助成金制度が4月に導入されたことについて、ご報告が遅くなってしまい、誠に申し訳ありませんでした。
2025年3月末の議会決定から、翌4月には運用開始という、非常に短い期間であったため、制度の詳細が確定していなかったことが理由です。
担当課と私たち双方が手探りの状態で、都度話し合いながら制度を組み立てていく形となり、明確なご報告ができず、大変心苦しく思っております。
今後は、予算をより有効に活用していくため、制度の精査や意見交換の場が必要だと考えています。
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■2025年春 子猫シーズン到来と保護ラッシュ
春になると、各地から「子猫がいる」との連絡が相次ぎました。
F市S地区:黒猫ママと乳飲み子5匹 (クーママ、葵・光・翼・薫・樹を保護) SO地区:茂みに1匹だけ落ちていた乳飲み子 (セトを保護) AM地区:ママ猫と子猫3匹 (オル・ルル・レオを保護) H市MS地区:ママ猫と子猫たち (他団体に受け入れていただきました) SO地区:人慣れした子猫2匹 (キキ・ジジ) SO地区:成猫・子猫10匹以上のコロニー (ネル・メル・ラム)
さらに、TNRMの際には、捕獲機に入った、ガリガリに痩せた1歳未満の男の子(アッシュ)も保護することになりました。


ルル レオ オル
キキ ジジ


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■2025年夏 猛暑の中でのTNRM
記録的な猛暑の中、妊娠の可能性が高い、未手術のメス猫のTNRMがありました。
捕獲は非常に難しく、数日にわたり、長時間捕獲機を見守る状況が続き、その結果、私は熱中症となり、しばらく体調が回復しない状態となりました。
その後、この猫とYD地区のTNRMについては、いつも助けてくださる先輩ボランティアさんが引き受けてくださり、依頼者さんと協力のもと、無事に手術を終えることができました。
困ったときに支えてくれる仲間の存在に、改めて深い感謝の気持ちを抱きました。
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■現在の状況と、今後の医療対応について
現在、本会で保護している生後7か月の保護猫「オルちゃん」が、食欲不振の状態が続いており、FIPの可能性も視野に入れながら、検査を継続しています。
現時点では、確定診断には至っていませんが、万が一FIPと診断された場合でも、治療を行う方針です。
イケニャンの経験を通じて、FIPは「高額ではあるが、治療によって回復が見込める病気」であり、「治療を選択できる体制を整えることの重要性」を、私たちは強く実感しました。
クラウドファンディングでいただいたご支援は、その判断を支える、大切な基盤となっています。

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■2025年冬 「なのちゃん」とシェルターの役割
2025年11月、お腹に不妊手術跡があり、人懐こく甘えてくる、3〜4歳の女の子、元飼い猫の可能性の高い「仮名なのちゃん」を保護しました。
なのちゃんは、猫エイズ・猫白血病ともに陽性のダブルキャリアでした。
他の猫への感染防止のため、シェルターでの単独管理が必要となりましたが、春にシェルターを開設していたことで、安全に受け入れることができました。
現在も、ボランティア3名が持ち回りで通い、大切にお世話を続けています。
保護から3か月後に、再検査を予定しており、陰性となることを願っています。

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■現在と、活動体制の見直しについて
最後に、私自身の体調について、正直にご報告させていただきます。
2024年末頃より体調不良が強くなり、検査の結果、更年期障害による自律神経失調症と診断されました。
強い疲労感や、ブレインフォグ(脳の機能低下により、思考力・記憶力・集中力・判断力などが著しく低下してしまう状態)があり、現在は治療を続けています。
猫たちの命を預かる活動において、判断ミスや連絡の遅れは許されません。
ボランティアの皆さんと話し合い、一時的に活動規模を縮小し、治療に専念する決断をいたしました。
しかし、最優先事項は、現在保護している猫たちのお世話と看病、そして里親さまのもとへつなぐことです。引き続き保護猫たちの里親探しは継続していきます。
ご支援いただいた資金は、今後も保護猫たちの医療費や飼養費として、大切に使わせていただきます。
体調が回復次第、再びレスキューやTNRM活動を再開する予定です。
どうかご理解いただけましたら幸いです。
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■最後に
この活動は、私一人では決して続けられませんでした。
支援者の皆さま、
ボランティアの皆さま、
協力病院の皆さま、
行政の皆さま、
そして、必死に生きている猫たち。
すべてに、心から感謝しています。本当にありがとうございました。
今後の活動は、
公式Instagramにて発信してまいります。これからも、あきる野の猫たちを温かく見守っていただけましたら、幸いです。
にゃんサポあきる野 代表伊藤綾子 ボランティア一同






















